新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
まんじゅう屋の機転(嫁としゅうとめ)
あったてんがの。
嫁としゅうとが仲が悪くて、嫁がしゅうとを殺そうと思って、まんじゅうやへ頼みにいったと。ほうして、
「ばさに食わせるがらすけ、毒の入ったまんじゅうを作ってくれ」
と頼んだと。
まんじゅうを作ってもらってきて、ばさに食わしたと。ばさは
「ばっかうめえまんじゅうだ。こっげうめえ(こんなにうまい)まんじゅう買ってきてくれる嫁を大事にする」
と喜んで食ったと。
それから、嫁を
「あんね、あんね」
と大事にしたと。
それを見た嫁は
「こんげにいいばさを殺してはならん」
とまんじゅう屋へとんでいって、
「ばさを助けてくれ」
と頼んだと。
まんじゅう屋の主人は
「あのまんじゅうには毒なんかへえっていねすけ、死ぬことはねえ。特別うまく作ってやったがんだ」
とようたと。
それから、嫁としゅうとは、ばか仲がよくなったと。
いきがさけた。
……読み比べてみたい昔話
共に<嫁としゅうとめ>をテーマとしたお話です。