新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
せがれ夫婦の親孝行(夫婦話)
あったてんがの。
あるろこへ親ばさとせがれ夫婦があったと。
ばさが病気になって寝ていると、せがれはなんとかしてうまいものを食わしたいと思うていたと。
ばさは竹の子が大好きだんだんが、せがれが、ばさに竹の子を食わせたいと思うて、裏の竹やぶへいって、みのを着て、竹の子が出るようなろこへ、毎晩寝ていると。
嫁が子どもを産んだと。
そうしたら、乳が出たと。
この乳をばさに飲ましたら、ばさの病気が治るかもしらねえと思うて、子どもが飲んでいれば、ばさに飲ませることができないと、子どもを殺してお墓に埋めてきたと。
ばさに毎日乳をしぼって飲ませていたと。
せがれが一生懸命あっためていたら、竹の子が出たと。
竹の子を煮て食わしたり、乳を飲ませたりしていたと。
そうしたら、ばさがだんだん良くなってきたと。
親子三人仲良く暮らしたと。
いきがさけた。
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共に<夫婦話>をテーマとしたお話です。