笠地蔵(『高橋ハナ昔話集』)
- 笠地蔵(かさじぞう)
- 「善良な爺が地蔵から幸運を授かる昔話。」「爺が地蔵に笠をかぶせること、お礼をもらうことの2つを柱にして、細部は多様に変化がみられる。地蔵の数は1、3、6、7、12など。正月様、道祖神など地蔵以外のものもある。地蔵にかぶせてやる笠は買ってきたり、自分で作ったり、自身が笠売りの場合もある。」(『日本昔話事典』弘文堂1977より)
笠地蔵のよくあるパターン。「貧乏な爺と婆がいた。正月の買物をする金がないので、婆の織った布、あるいは、爺のとった薪を、爺が売りに出かける。途中に、地蔵が雪にぬれて立っている。爺は布または薪を売った金で笠を買い、地蔵にかぶせで帰る。米も餅もないままに、爺と婆は寝てしまったが、夜中に、地蔵が、米、餅、金などを運んできた。そこで、2人は良い正月を迎えることができたという話。」(同上)