新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
恋の病気(夫婦話)
あったてんがの。
あるどこへだんな様の家があったと。
そこの家のお嬢様が、若いきれいな男にほれて病気になったと。
医者にかかっても治らんで、死んでしもうたと。
いぐどこへいがんねえで、毎晩好きになった男の人のどこへ、ばあやを連れて、二人で来ると。
男の人はお嬢様が来るようになってから、病気になったと。
だんだん悪くなるんだんが、家の人が心配して、見てもらったら、死人がついているとようんだんが、お嬢様が家に入られないように、お寺へ行って、ありがたいお札をもらって来て、家の中のすきのあるどこにみな張ったと。
そうしたら、お嬢様がきても、入ることができないで、泣いてばかりいるんだんが、ばあやが、家の中の札を取ってくれたと。
そうしたら、お嬢様が喜んで家の中に入り、男のどこにいったと。
お嬢様がくるんだんが、男はだんだん悪くなって、死んでしもうたと。
お嬢様が男のそばを離れないと。
ほうしるんだんが、二人一緒にしてお経をあげて、一緒にお墓にいれてやったと。
それから来なくなったと。
いきがさけた。
……読み比べてみたい昔話
共に<夫婦話>をテーマとしたお話です。