ここに掲載しました昔話は、長岡民話の会顧問で芥川賞候補作家でもある新潟県小国町出身の高橋実さんが学生の頃に地元の古老から採話したいきさつや語り手の紹介、ちょっと変わった昔話をご披露します。同じ語り口の昔話を多数収録した名人選CDを販売しております。味わい深い語りで新潟県の昔話の楽しさをご堪能ください。
子供達が一番怖いものは狼だというのを聞いてご満悦の狼は、ふるやのもりやというもっと怖いものがあるというのを聞き、逃げだしたところ、突然首っ玉にしがみつかれた。ふるやのもりやにつかまったと思った狼は…。
子がなかったじさとばさが鎮守様に願掛けしたら法螺貝の子を授かった。町に買い物に行かせてもらった法螺貝は、こんだ嫁をもらうすけ、着物と羽織を用意しておいてくれ、と頼んで、また町に出かけて行った…。
大きな梨の木があって、実が沢山なっていた。風が吹くとみんな川の中に落ちた。子どもは食べたいのだが、風は子どもの方へは吹いてくれず、あいかわらず川の中に梨の実を落とすばかりだった。
昔、仲の悪い姉と怠け者の兄がいた。姉は京へ行って金儲けして来いと言って焼き飯を作ってやる。兄は途中で山賊に焼き飯を盗られすぐに戻ってきた。兄は出任せに八卦見ができるようになったと姉に嘘を言ったが…。
『越後小国昔話集』の収載昔話一覧。新潟県刈羽郡(現・長岡市)小国町の昔話74話を収録。日本昔話学会会員の高橋実さんが昭和30年代から始めた採話や社会科教師たちと編集した小国の昔話を集大成したもの。
『榎峠のおおかみ退治―越後小国の昔話集』成立の経緯、特長が述べられる。編者高橋実は、昔話を「語ることによって次の世代に残そう」と願い「その語りのテキスト代わりに使っていただきたい。」という。
『越後小国の昔話集』の語り手一覧。語り部26人の集落名、屋号、生没年を記載。全て新潟県刈羽郡(現・長岡市)小国町。