越後の昔話名人選CD⑪ 第11巻
プロフィール
永見恒太(ながみ つねた):新潟県旧刈羽郡小国町下村出身。明治43年生まれ 平成12年死去。
小国文化協会会長に就任。民謡教室などを開催し地域文化民俗の保護継承に広く貢献。「庄内節」の伝承者。「新小国音頭誕生まで」(郷土雑誌『へんなか』11号)。
中川ナツ子(なかがわ なつこ):新潟県柏崎市生まれ、柏崎市下長鳥在住。昭和11年生まれ。
96年に昔話を語る「かしわざき語り部の会」、03年には方言で昔話を演じる劇団「よったり座」を結成。柏崎市内外で口演を続ける。『峠のふくろう』(あかつき印刷)。2010年(第38回)毎日農業記録賞(毎日新聞社主催)を受賞。
鈴木百合子(すずき ゆりこ):新潟県旧刈羽郡小国町武石出身 昭和6年生まれ。
長岡市芸術文化振興財団主催「越後長岡 語りの世界-昔話と瞽女唄-」長岡リリックホール(2011年9月)出演。NHK新潟放送局で昔話を語る。
佐藤ミヨキ(さとう みよき):新潟県旧北魚沼郡守門村大倉出身。明治43年生まれ。
魚沼市の「昔語りの達人」に認定。キングレコード「昔話ふるさとへの旅 新潟」出演。『ミヨキさんのざっと昔』(新潟日報事業社)。小出郷文化会館などに出演。
安沢和子(あんざわ かずこ):新潟県旧刈羽郡刈羽村刈羽在住。昭和23年生まれ。
「かしわざき語り部の会」会員。昔話語りで「なりわいの匠」認定技能者。歴史博物館語りなどに出演。
松田薫(まつだ かおる):新潟県旧刈羽郡小国町法坂在住。昭和16年生れ。
おぐに雪祭り「瞽女唄と昔話」芸術村まつりなどに出演。
演目解説
① からかさといしとかめ 永見恒太(1998年)12:30
秋山の人が十日町から嫁入りするとき傘さしてきた。秋山の人がそれを見て簪差してきたと思った。嫁と婿で一見にきた。砂糖かい餅を御馳走した。夜中に瓶に入れたかい餅を食おうとしたら瓶から首が脱げなくなった。
② 松之山鏡 中川ナツ子(1999年)7:45
父と息子が住んでいた。父が死んでしまった。川に魚釣りにいったら鏡がかかってきた。そこに父親そっくりの顔が映った。嫁がきたら、その鏡を押し入れにしまった。嫁が押し入れの戸をあけてみたら、女がいた。
③ ふるやのもりや 鈴木百合子(1999年)13:57
家の馬を盗もうと狼が家に忍び込んだ。この世の中でいっちおっかないのがなにかと話が聞こえた。爺様はふるやのもりやがいっちおっかないといった。狼はびっくりして逃げ出そうとするが…。
④ 兄さと姉さの伊勢参り 佐藤ミヨキ(2001年)20:30
働き手の兄がいた。伊勢参りに出かけて行くと、きれいなアネさと旅友達になった。二人して新しい家を見つけて暮らすことになった。アネさが家の事が心配になった。留守に嫁の書置きを見つけた「恋しくば訪ね来て見よ…」と書いてあった。蝉屋長者のことだった。
⑤ じさの天昇り 安沢和子(2002年)4:39
婆さんが掃除していると豆粒が落ちていて、土に撒いたらでっかい豆の木に成った。爺さがその木に登って天まで届いてしまった。泊めてもらった家は雷の家だった。爺さんが雷の弟子になって、雷が鳴らすと、しずくを垂らした。
⑥ 橋の夢 松田薫(2002年)4:11
正直な男が夢をみた。夢の中に神様が出てきて川のそばの橋の上に立っているといいことがあると教えられた。5日もそこに立っていたが、いいことが何もなかった。橋のそばのその家の人に話しかけられた。
永見恒太さんの「からかさと石とかめ」を聞くことができます。
語りの最初の部分だけですがお楽しみください。(上の演目解説もご一読ください。)
第十一巻 名人選3 CD番号:CD11
からかさと石とかめ(語り:永見恒太)
(mp3・12分30秒の冒頭2分程度)
小さな会場での録音です。楽しい語りの座にあなたもご一緒ください。