新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
キツネの仕返し(人とキツネ)
あったてんがの。
じさが畑の草を刈っていたら、キツネの穴があったと。
その穴のめぐらに長い草がいっぺえあると。
じさがその草を刈って、
「穴のめぐらの草を刈ってせいせいしていいろう」
とようて来たと。
ようさる(夜)、キツネがじさのろこへ来て、
「じさ、おまえはおれの穴のめぐらの草刈ってくれた。そのかわり、おまえの家の戸をおれが世話しるすけ、んーなはずして売って、その金で新しい戸を入れらっしゃい」
とようたと。
じさが翌日戸を外して持っていって売ったと。
それきり金ももらえず、秋になって戸がなくて、寒くてどうしょうもなかったと。
そこヘキツネがきて
「じさ、戸がなくてせいせいしたろ。おれも人間の目のつかないように長くしていた、穴のめぐらの草を刈ってもらって、困っている」
とようたと。
キツネに仕返しされたのだと。
いきがさけた。
……読み比べてみたい昔話
共に<人とキツネ>をテーマとしたお話です。