新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
化けムジナ(化け物退治)
あったてんがの。
山の中の学校で男の先生が一人で学校の住宅に泊まっていると。
夜、若い女が先生のところへ遊びにくると。
村の若いショが先生のところに遊びにきたら、お客があるので、戸のすきまからのぞいてみたら、若い女の人で、良く見たら、その人は口が耳まで裂けていると。
若いショはたまげて、村へきてみんなに話したと。
その女を先生のところに入れないようにしていたと。
そうしたら、化け物が来なくなったと。
それから、幾月が過ぎて、暖かい春の日に先生が子どもを連れて、山へ遠足に行ったと。
そうしたら、広々としたところに石塔があったてんがの。
そこでみんなが休んでいたら、その石塔から、化け物が出て、先生をくわえて石塔の裏へ入ったと。
子どもがたまげて、家にきてその話をしたら、石塔の裏に大きい穴があって、その穴へ先生が引きずり込まれて食い殺されていたと。
化け物はどこへ行ったかいなかったと。
いきがさけた。
……読み比べてみたい昔話
共に<化け物退治>をテーマとしたお話です。