新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
キツネにだまされた嫁(人とキツネ)
あったてんがの。
昔、キツネが出て人をだまして困っていたと。
食うものを持って山道を通ると、みんなだましたと。
山谷から下村に嫁に来た人が、実家へ泊まりに行って帰ってくる時、実家の人が土産にかいもちを作って重箱に入れてくれたと。
それを持って山道へくると、だんだん暗くなってきたと。
仕方なく近くにちんこい小屋があったんだんが、そこへ入れてもらったと。
畑仕事の道具を入れる小屋だったと。
そこで休んでいたら、眠くなったと。
目が覚めて近くを手で触ったら、キツネの毛皮みたいなものが手に触ったと。
「キツネにだまされたのかな」
と思うて外へ出ようとしたら、外は明るくなっていたと。
重箱を見たら、かいもちはみんな食われて何もなかったと。
仕方がないから、また実家へ戻ってその話をして、またかいもちを作ってもらい、翌日家の人から下村に送ってもらったと。
いきがさけた。
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共に<人とキツネ>をテーマとしたお話です。