新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
古ダヌキ(おろかな動物)
あったてんがの。
ある村に古タヌキがいて、人をだまして困ると。
村のショが町に買い物に行けばきっと化かされる。
村で困っていると、村にきかん坊の若いショがいて、
「おれがタヌキ退治してくれる」
とようて、出かけていったと。
道端のでっかい木の上にタヌキがいたと。
若いショがわざと、
「この木には右のほうに枝があったはずだがな」
とようたら、タヌキが右の手をズーッと出して、枝にしてみせたと。
「この木は左の方にも枝があったはずだがな」
とようたら、左の手をズーッと出して枝にしてみせたと。
若いショがまた、
「この木は下の方にももう一本枝があったはずだがな」
とようて、タヌキは右の足をヌーッとだしたら、つかまりようがなくて、ドーンと下へ落ちたと。
ほうしたら、若いショが
「この古タヌキめ」
とようてなわでしばったと。
いきがさけた。
……読み比べてみたい昔話
共に<おろかな動物>をテーマとしたお話です。