新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
播州皿屋敷(幽霊話)
あったてんがの。
しんしょうのいいだんな様があったと。
そこへお菊というきれいな娘が奥女中に上がったと。
だんな様がお菊をかわいがるんだんが、他の女中はお菊をにっくがると。
ある時、お客様が取れて、大事な宝物のお皿を出したと。
お皿は十枚あって、大事にしていたと。
そのお皿は、お菊が出したり、しまったりしることになっているのだと。
お客様が帰ってそのお皿をお菊がしまうとて数えてみたら、九枚しかなかったと。
なんべん数えてみても九枚しかない。
お菊が泣いていると、家来のものがお菊を打ち首にして古井戸の中に投げ込んだと。
ほうしたら毎晩毎晩、古井戸の中から悲しげな声で、一枚、二枚、三枚、四枚、五枚、六枚、七枚、八枚、九枚と一枚足りないと泣いている声がしたと。
そうしるんだんが、家来のものに言い付けて、古井戸の中を調べさせたと。
ほうしたら井戸の中から、お菊の死体が上がったと。
いろいろ調べてみたら、仲間の女中が皿を隠したことが分かって、その女中は打ち首になったと。
お菊の死体にお経をあげてもらって、お墓に埋めてもらったと。
いきがさけた。
<幽霊話>をテーマとしたお話です。