新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

ツルの恩返し

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

ツルの恩返し(動物の報恩)

あったてんがの。

あるどこへじさとばさがあったと。

じさは毎日山へしば刈りに行って暮らしていたと。

ある寒い日にじさが山へしば取りにいって山道で休んでいたら、山の方でキイキイ鳴く声がしたと。

じさがなんだかと思うて行ってみたら、ツルがわなにかかってバタバタしていたてんがの。

じさがかわいそに思うてわなを切ってくれたと。じさは

「こんげのわなに引っかかるようなとこに来ないようにせいや」

とようて放してやったと。

ツルはパーとたって天上へ立ち上がって、じさの頭の上を三べん回ってたっていったと。

じさは町へしば売りにいって帰ってきたと。

うちではばさが

「今日は寒かったろう」

とようて、火たいてじさとばさがあたっていたと。じさが

「今日、ツルを助けた」

と話し聞かせていたと。ばさは

「それは良かった。ツルは喜んで帰ったろう」

とばさも喜んでいたと。

その夜、トントンと音がしるんだんが、ばさが出でみたら、きれいな娘が立っていたと。娘は、

「旅のものだが、道間違ってこんげのどこへ来たが、今夜一晩泊めてくらっしゃい」

とようたと。じさは、

「おらうちはなんにもないが、気を使わずに泊まらっしゃい」

とようて火をたいて、あったかいおかゆを作って食わせたと。

次の朝、早く起きて朝飯を作ってくれたと。

じさとばさは子どもがねえんだんが自分の子の様に大事にしていると。

娘が

「おれははた(織物)織りたいが、はた織り機がないか」

とようたと。ばさは

「おれが若いころ織ったはた織り機がある」

とようたと。

じさが出してきてくれたと。娘が

「おれが部屋へ入ってはた織るすけ、決して見ないでくらっしゃい」

とようたと。

ほうして、部屋に入って毎日トントン、カラカラと音をいわしてはたを織っていると。

ほうしてはたができたようで、はたを持って出てきたと。娘が

「このはた町へ行って、売ってきてくれ」

とようたと。

じさが町へ持っていったら、

「こんげなはた見たことがない。殿様のどこへ持っていったらよい」

とようたと。

じさが殿様のどこへ持っていったら、殿様が

「これはいいはただ」

とようて高く買ってくれたと。

じさは喜んでうちへ来たら、ばさも娘も喜んだと。

また、はたができると、喜んで売りに行き、じさのうちは金がたまったと。

そのうちに娘の顔色がだんだん悪くなって、元気がないがだと。ばさが

「おめえ、あんまり稼ぐすけ、そうだな。ちっとはた織り休めや」

とようたと。娘は

「おら、何ともない」

とようてはた織っていたと。

じさとばさが心配してはた織っているろこをのぞいてみたら、ツルが裸になってはたを織っていたと。

じさとばさがたまげていると、娘が来て、

「おれはツルだ。冬の寒い日、じさに助けてもろうて本当にありがたかった。その恩返しにここへきたが、自分の姿見られてしもうたすけ、ここにいらんね」

とようたと。じさもばさも

「おらたちが悪かった。へえ見ねすけ帰らんでくれ」

と頼むろもツルの姿になってたっていってしもうたと。

いきがさけた。

おはなし

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