新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

ふうふうとんとん、いいかん

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

ふうふうとんとん、いいかん(和尚と小僧)

あったてんがの。

あるお寺に和尚様と二人の小僧があったてんがの。

和尚様はけちんぼで、小僧を早く寝せてはてめえばっか、もちを焼いたり、甘酒飲んでいらっしゃる。

二人の小僧は、それを見て、

「おらも、もち食いたい、甘酒も飲みたい。どうしたらよかろう」

と話したと。

一人の小僧が

「そら、いいことがある。和尚様は、もちを熱灰に焼いて、フウフウと吹いて、トントンと灰を落として食わっしゃる。甘酒がわくと、『ああ、いいかんだなあ。』とようて飲まっしゃる。だすけ、二人は名前を変えることにしよう。おまえはもちが好きだすけ『ふうふうとんとん』とよう名前にしれや。おれは甘酒がすきだすけ『いいかん』とよう名前にする」

とようたと。

「そらいい。だけや、そうすることにしよう」

と話が決まったと。

つぐの日、二人の小僧は、和尚様のどこにいって、

「和尚様、今日からおら二人、名前を変えてくんなんしょう。’おれは、ふうふうとんとん、これはいいかんというがんにしてくんなせえ」

と頼んだと。和尚様は、

「おお、そうかそうか」

とようて、ようさるになると、二人の小僧に

「早寝れ、早寝れ」

とようたと。

小僧が寝ると、和尚様はもちを焼いてフウフウトントンと音を出したと。小僧が

「はい」

と返事して和尚様のどこへとんでいったと。

「何用でございますか」

とようたてが、和尚様が

「おうこ、おら、おまえなんか呼ばないが」

とようと、小僧が

「今ふうふうとんとんといわしたねか」

とようんだんが、和尚様は

「そうか、おまえもこれ食って寝れや」

とようて、もちを食わしたと。

そのふうふうとんとんが寝てしもうと、こんだ和尚様は甘酒をわかしたと。

ほうして、

「いいかんだな」

といわしたと。

ほうしると、いいかんの小僧が

「はい」

と返事して起きて和尚様のどこへとんでいって

「はい、何用でございますか」

とようたてが。

和尚様は

「おら、おまえなんか、呼ばないが」

とようと、

「いや、いまいいかんだといわしったが」

とようんだんが、和尚様は仕方がねえんだんが、

「そうか、おまえもこれ飲んで寝れ」

とようて、甘酒をのませらしたてが。

それでいきがさけた。

おはなし

……読み比べてみたい昔話

  1. 和尚様と小僧
  2. 和尚様と三人の小僧

共に<和尚と小僧>をテーマとしたお話です。

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