新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
若がえりの水(誇張話)
あったてんがの。
あるろこへじさとばさがあったてんがの。
あるどき、じさとばさが山へ行ったと。
ほうしると、馬鹿いいにおいがしてくるてんがの。
じさはなんのにおいだろうとにおいのしる方へ行って見たれば、山の清水だてんがの。
じさは
「おここ、こらあ、ばかげにいいにおいがしる。これを飲んでみよう」
と飲んだてが、ばかげにうめえ水だったと。
その水飲んでいると、年が若くなって若いショになってしもうたと。
それを見たばさはたまげて、
「じさは、あんげに若くなったてがね、おればっか年よりげだなんてやらすけ、おれも飲んでこう」
と、その水飲んだと。
ばさは若なうと思うてあんまり飲んだれば、こんだちっこい赤ん坊になってしもうたと。
ほうしてオギャ、オギャと泣いているてんがの。
じさが、それ見て
「おおごとらねか。こんげに水いっぺい飲んで、赤ん坊になってしもうて」
とようて、赤ん坊のばさをうちへ連れてきて真剣で育てたと。
いきがきれた。
……読み比べてみたい昔話
共に<誇張話>をテーマとしたお話です。