新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

ネズミの彫り物

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

ネズミの彫り物(知恵者話)

あったてんがの。

吉さんとよう彫(ほり)上手な男があったてんがの。

ある日、友達がきて、

「吉さん、吉さん、おまえがいくら彫り物が上手でも、左甚五郎にはなるまいの。おれのどこに、左甚五郎の彫ったネズミがあるが、良くできていて本物のようだ。おまえに見せようか」

とようたてんがの。

ほうしたら吉さんが

「いや、それはにせものだろう。おれんどこに本物がある。ほうせば、どっちが本物だか、くらべてみよう。あしたおらどこへ持ってきてみれや」

ようたてんがの。

吉さんは

「あんげのことようて、おおごとした。おら左甚五郎の本物のネズミなんか持っていない。どうしょう」

と考えて、押し入れからかつお節をだして、一晩かかってネズミを彫ったてんがの。

それを翌朝、桐箱にいれて友達のどこへ持って行ったてんがの。

二人して桐箱からネズミを出したら、友達のネズミの方が良くできている。

吉さんのネズミの方が出来が悪くてとてもくらべものにならないてんがの。

友達が

「おめえのネズミはカエルのようだ。しかも化けガエルのようだねえか」

とようて、いばっていたてんがの。

そこへ猫がニャオンと鳴きながら入ってきたてんがの。

ネズミの彫り物二つ並んでいるんだんが、そこへとんでいって、じっとにらんでいたけや、かつお節のネズミをくわえて逃げていったてがの。

吉さんは得意になって、

「そら見れ、猫がくわえていくくらいだから、おれのほうが本物だ」

とようたてんがの。

いきがさけた。

おはなし

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共に<知恵者話>をテーマとしたお話です。

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