新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

あわてもの

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

あわてもの(愚か者話)

あったてんがの。

あるどこへあわてもんの男があったてんがの。

明日は弥彦参りに行くとて、前の晩寝る時、明日の分の顔洗って、弁当を枕元に置いて寝たてんがの。

朝起きて、かかが、用意しておいた朝飯のつもりで、あわてて着物に付けるのり食ったてんがの。

枕を弁当と間違ってふろしきに包んで背中にぶったてんがの。

脚半(きゃはん)履くとて、一つの脚半をかたっぽの足に履かせ、もう一つの脚半をはしごの脚に履かせて、家をとびだしたてが、ゴンゴンといって、だれかにぶつかったんだんが、

「いや、どうも申し訳ない」

とようて、謝ってみれば、道端の地蔵様だったてんがの。

弥彦参りをして、腹もすいたし、昼飯食おうと思って、ふろしき開けてみたれば、枕が入っていたてんがの。

もち食おうと思って、道端のもち屋へ入って、

「もち一つ幾らだ」

と聞くと、もち屋が

「どれでもひとつ三文だ」

とようたんだんが、店先きのでっこいもち三文出して買い、がぶりとかぶりついたら、木で作った看板もちだったてんがの。

男はごうをにやして家へきて、かかをどなりつけて、

「なあでもあるまい。弁当だなんてようて、枕を入れておいて。この馬鹿めが」

とようたら、かかが

「おめさん、何ようているがら。おらには、ちっともわからん。何怒っているやら」

とようんだんが、良く見たら、隣の家のかかだてんがの。

あんまりあわてて、隣の家をてめえの家だと思って入っていったてがんだと。

こんだたまげて、てめえの家にきて

「おら申し訳なかった。おらのかかだと思って、おめえさんを怒鳴りつけたりして、どうか勘弁してくらっしゃい」

とようて、謝ったてんがの。

いきがさけた。

おはなし

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