新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

水の命

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

水の命(産神問答)

あったてんがの。

ある村のお宮に夜、こじきが泊まったと。

ほうして、夜中になって、シャンシャンという馬の鈴の音に目が覚めたてんがの。

その馬の鈴の音が、お宮の前で止まって、声かけたと。

馬に乗った神様が

「鎮守様、下の村に子どもが生まれるすけ、はやいごう」

と声かけたと。お宮の神様が

「こんにゃ(今夜)、お客があっていがんねえ。おまえ、いいようにしてくんなせえ」

とようたと。馬に乗った神様が

「じゃ、早くいこう、ほかの神様が、馬に乗って迎えにきたのだ」

とようていってしもうたと。

ちっとめたら、神様が戻ってきたてんがね。ほうして

「今戻ってきました」

とようと、お宮から

「それはご苦労だった。何子が生まれたいの」

と聞く声がしたと。ほうしると、

「男の子が生まれたが、その子が十(とお)になると、お祭りの日、水で命とられるとようことにしてきた」

とようて、馬に乗った神様は、帰っていったと。

夜が明けてから、こじきが、下の村へ行って、ようべ、男の子が生まれた家に行ってみると、確かに生まれていて、こじきはきのうお宮で聞いた話を聞かせてやったと。

その子が十になった、村の祭りの日に、この子が水で命をとられるてがで、その子を外へ出しちゃならんと、柱にしばりつけておいたと。

ほうしたれば、この家から嫁にいった娘が、呼ばれてきていて、この子を見て

「まあ、お祭りだてがんに、この子を柱にしばりつけておくなんてどういうがら。気の毒に」

とようて、ほどいてくれたと。

ほうしたらその子があそんでいるうちに、波模様ののれんにひっかかって死んでしもうたてんがの。

いきがさけた。

おはなし

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共に<産神問答>をテーマとしたお話です。

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