新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
おはぎの夢(夢買長者)
あったてんがの。
あるどこへ若い男が二人おったてんがの。
春になって春山へ二人していったと。
山で仕事をしてお昼になったんだんが、まんま(ご飯)食うて休んでいたと。
一人の男は寝転んだら、すぐグウグウいびきをかいて眠ってしもうたと。
もう一人の男は眠らんでやすんでいたと。
ちっとめる(たつと)と、眠った男の鼻の穴からハエが一匹パーッとたってでで、そこに落っていた馬のくそに止まったと。
ほうして、ハエは馬のくそをうまげになめていると。
眠らん男が、
「こら、いやらねか」
と見ていたと。
こんだ、そのハエが戻ってきて、眠っている男の鼻の穴に入っていったと。
男がウーンとようて目を覚ましたと。ほうして
「今おもしい夢を見た。おばの家に行って、おはぎをいっぺえ食った夢を見た」
そうようたと。
いきがさけた。
……読み比べてみたい昔話
共に<夢買長者>をテーマとしたお話です。