新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

白椿の下のかながめ

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

白椿の下のかながめ(夢買長者)

あったてんがの。

あるどこに、あに(兄)とおじ(弟)があったと。

小さいときに両親に死に別れてしもうて、二人してよその家に山仕事の手伝いにいって、だんだんでっこくなったと。

ある時、山へ木切りにいっていたてんがの。

昼になったんだんが、まんま食って休んでいたと。

おじが横になってすぐグーグーと寝ってしもうたと。

あには寝いらんでいたと。

ほうしたら、おじの鼻の穴から、ハチが出たり入ったりしていると。

不思議に思うて見ていたら、おじが目を覚ましたと。おじが

「おおこ、今のは夢だったか。神様が『お寺の白椿の下にかながめが五つ伏せてあるすけ、それをおまえに授ける』といわした」

あにが

「そらまたいい夢だねか。おまえとおれとで明日お寺に掘りに行ってこう」

とようて、おじも

「そうしよう」

とようたと。

そばで仕事をしていた人がそれを聞いて、

「よし、そのかながめ、おれが先に掘ってやろう」

とその晩のうちに掘りにいったてんがの。

ほうしたら、かめが出て

「おおあった。あった」

と喜んでかめのふたを取ってみたら、中はべと(土)がふっとつ(いっぱい)入っていたと。

「こらなんだや。べとが詰まっているがんに。こんげな夢なんかあたるもんか」

とまたべとかけていたと。

つぐの日、あにとおじがいってお寺の白椿の下を掘ったれば、かながめが五つ出てきて、中には大判小判がいっぱい入っていたと。

ほうして二人はその金で金持ちになって一生安楽に暮らしたと。

いきがさけた。

おはなし

……読み比べてみたい昔話

  1. 初夢
  2. 夢買長者
  3. 三の夢
  4. おはぎの夢
  5. 三匹のアブ

共に<夢買長者>をテーマとしたお話です。

昔話CDのご紹介(全11枚)

じっくり聞かせる名人噺CD

とにかく面白くて楽しいCD

バラエティ豊かな名人選CD

昔話CDのご注文ができます。

PAGETOP
Copyright © 越後の昔話名人選CD All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.