新潟県の名人級の語り部を選定し収録した越後の昔話CD。語りの達人と言われる古老が地の方言で語る貴重で楽しい新潟県民話語りの醍醐味をご堪能ください。民話ファンや昔話の語り部を目ざす方は是非聞いてみたい昔話CDです。

さかな女房

高橋ハナむかしがたり

新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。

さかな女房(異類女房)

あったてんがの。

あるろこ(ある所)へ、独り者の漁師があって、毎日魚をとっては自分で食うだけの魚を残して、あとは海に逃していたと。

ほうしているんだんが、いつも貧乏だったと。

ある時、かわいげな女の子がきて

「おら、みなしごでどこへでもゆくとこがないすけ、ここへ置いてくれ」

そうようたてんがね。男は

「おらうちは貧乏で、おまえなんかおかんねえ」

とようろも、女の子は

「いくら貧乏でもいいすけ、置いでくれ。頼む」

とようだんが、

「仕方がねえ。おらうちへいれば、いいこてや」

とようて、その娘は男の家に住んで、ようく働いてくれたと。

ふたりはいつか夫婦になってしもうたと。

女は

「まんまつくるときは、みねでくれ」

とようて、ばかげにうめえ汁をつくってくれると。

男は不思議に思うて、あるどき漁に行ったふりして、台所の梁(はり)の上に上がってみていたてんがね。

女が、流しへ入って、桶に水くんで、その中にてめえの尻入れて、ゴシゴシと洗ってその水でお汁を作っているのだと。

男はあんまりたまげて、梁から落ちてしもうたと。

女もたまげて

「おら、もう見られてしもうたすけ、ここにいらんね」

というたと。男は

「勘弁してくれ。ここにいてくれ」

と頼むと、女は

「おら、おまえさまに助けられた魚だ。助けられたお礼にうまい汁のだしを出して、ごちそうを食わしたかった」

とようて、魚になって海へ行ってしもうた。

置いていった手箱の中に、金で作った櫛やかんざしがあったんだんが、男はそれを売って、大金持ちになったてんがの。

いきがさけた。

おはなし

……読み比べてみたい昔話

  1. くずの葉の子別れ
  2. 天人女房
  3. 大蛇の目
  4. カエルのかか
  5. キクの恩返し

共に<異類女房>をテーマとしたお話です。

昔話CDのご紹介(全11枚)

じっくり聞かせる名人噺CD

とにかく面白くて楽しいCD

バラエティ豊かな名人選CD

昔話CDのご注文ができます。

PAGETOP
Copyright © 越後の昔話名人選CD All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.