新潟県の昔話を読み解く
昔話の好きな婆さ|昔語り:下條登美・石田ヨミ
昔、ある所に、昔話の好きな婆さがいて、俺がやめてくれというまで昔話を語った者に三人の娘の内の一人をくれてやるというと、座頭がやってきて俺が話をするからその娘をもらいたいと話し始めたが、…。
若返りだんご|昔語り:下條登美
ある所に子のない夫婦がいた。子供が欲しくて鎮守様に願掛けをしたが、神様がお前にやる子供は無いがこの若返りダンゴを持って帰れと言われた。二人してどちらがダンゴを食うかで喧嘩していたら魚売りが来て…。
あわぼこ・こめぼこ|昔語り:保科ソメ
昔、ある所にあわぼここめぼこという姉妹がいて、あわぼこは継子で後妻にいじめられていた。秋になって二人に栗拾いに行かせたが、あわぼこには穴のあいた袋をこめぼこには穴の開いていない良い袋を渡して…。
ほらがいの婿|昔語り:小野塚キタ
昔、子の無い爺さと婆さがいた。鎮守様へ願懸けすると、お宮の縁の下の法螺貝を子供代りに可愛がるようお告げがあった。子供と思って毎日育てるとある時町に買い物に行くと言い、今度は嫁をもらってくると言う…。
こうばこ|昔語り:斉藤浩一
昔、爺さと婆さがいて、爺さは山へ柴刈りに、婆さは川へ洗濯に行くと、川上からこうばこが流れて来た。いいこうばこはこっちへ来いと言って家へ持ち帰ったが、ある日山の坂道でこうばこがここを掘れと言う…。
さとる|昔語り:鈴木スギ・五十嵐ツヤ
爺さが炭焼き小屋に泊っていると、さとるが来て「さとるだな」と思うと、「爺さ爺さ、これがさとるだな、と思ったな」と言った。「気味の悪い奴だ」と思うと、「爺さ爺さ、気味の悪い奴だと思ったな」と言う…。
ハチになった魂|昔語り:安藤マス・石黒栄子
ある所に村の男が二人いて、焚き木切りに行って昼寝していると一人の男の鼻からハチが飛んで行ったかと思ったら、また鼻の中に入って行った。すると男は目を覚まして、夢で京の町へ見物に行って来たと言う…。
木の股年|昔語り:小林マチ
昔、六十二歳になると木の股年と言って山へ捨てる習わしがあった。ある孝行息子が婆さを捨てに行ったが捨てられず、家に隠していた。ある時、殿様から難題が三つ出たが分からなかったが、婆さに尋ねたら…。
夫婦の因縁|昔語り:野上マサ
昔、村の鎮守様の中に旅の若い男とが泊っていた。夜他の神様が迎えに来て今お産があるが、ここの男と夫婦になる因縁にしたと言う。男はそれを嫌ってその女の子の首を切ってきた。だが数年後、男が結婚すると…。
和尚と小僧|昔語り:高橋ハナ
ある寺に和尚様と小僧がいて、和尚様がお経を読みに行こうと言う時に隣りの婆さがおはぎを持って来た。和尚様はおはぎを戸棚に隠したが小僧は見ていて、餡子を金仏様の口の回りに付けて、全部食べてしまった…。