新潟県長岡市(旧三島郡越路町)の高橋ハナさんの昔話。昔話独特の語り調子と、いきいきしたリズムが分かるとお話が語り始めます。ぜひCDでむかしばなしを聞いてみてください。
スズメとケラツツキ(動物の由来)
あったてんがの。
スズメとケラツツキ(キツツキ)は、昔は兄弟だったと。
そうして二人して、旅稼(たびかせ)ぎに出たと。
二人して真剣で働くんだんが、晴れ着のいい着物あつらえてもらえると。
そうして、かすりを染めているどこへ、
「国もとの母親が病気だすけ、早く来い」
とよう手紙が来たと。スズメは
「親が病気だがんに、早くいがんけやならん」
と染め抜いた糸を首に引っかけてとんでいって、親の死に目に会い、葬式にも間に合って、神様から米を授けられたと。
そうしるんだんが、田んぼの稲穂を食うがらと。ケラツツキは、
「おらあ、まあ、これを晴れ着にしてから行きたい。いい着物来て行けば、友達の前も、人の前もいいすけに」
そう思うて晴れ着をこしらって、だてこいて(着飾って)行ったてんがの。
そうしたら、親の死に目、葬式に会われなかったと。
それで、神様から木の虫でも食いといわれたと。
それでケラツツキは木の虫を探して、夜になると、足がやめると泣いているてんがの。
いきがさけた。
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共に<動物の由来>をテーマとしたお話です。