ごしょう(技)比べ
新潟県長岡市(旧刈羽郡小国町)の昔話。どこか人なつっこい方言とおだやかな語り口調が嬉しい昔語りです。昔話のCDで独特の語り口調がわかると民話の文章が話し始めます。ぜひ昔ばなしを地の語りで聞いてみてください。
昔あったそうな。
小千谷の川端で魚釣りしている人がいたと。
その魚釣りは、釣りあげると、そこで煮て食うがだと。そこへ方丈様が
「いたか」
というて来たと。
「ああいた」
と返事すると、方丈様が、
「ごしょう比べ(技くらべ)しよう」
とおいうがだと。
魚釣りも承知して、二人でごしょう比べすることになったと。魚釣りは
「じゃ、おが魚の泳ぐどこ見てもろうか」
というて、よく煮た魚を水の中に投げると、ついついと泳いでいるがだと。
方丈様の口から出た魚が、おちょうろう様(※長老か?)になって、黒い着物来て上へのぼっていくがだと。
ほうして方丈様がごしょう比べに勝ったと。
いちがさけた。
小国沢 村山ヨシ
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