乳飲む爺さ
新潟県長岡市(旧刈羽郡小国町)の昔話。どこか人なつっこい方言とおだやかな語り口調が嬉しい昔語りです。昔話のCDで独特の語り口調がわかると民話の文章が話し始めます。ぜひ昔ばなしを地の語りで聞いてみてください。
昔あったそうな。
若いあねさがおもてへ出たら、年よりのきったなげの爺さが、
「乳が飲みてえ、乳が飲みてえ」
というて歩いているがだと。
人はきったながってそっげの爺さに寄りつかんかったと。そのあねさは、
「かわいそげに、乳が飲みてえというているが、おらこには、どうせ、いっぺえ乳があるがだすけ、飲ましてやるが」
というて、乳飲ましてやったと。
爺さは乳を飲ましてもろうたお礼に包みもんをくれたと。
その包みをあけてみたら、金がいっぺえはいっていた。
いちがさけた。
太郎丸 長谷川モト
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