運定めの話
新潟県長岡市(旧刈羽郡小国町)の昔話。どこか人なつっこい方言とおだやかな語り口調が嬉しい昔語りです。昔話のCDで独特の語り口調がわかると民話の文章が話し始めます。ぜひ昔ばなしを地の語りで聞いてみてください。
昔あったそうな。
こじぎがお宮様に泊ったと。
夜中になって
「どこどこの村におびや(産屋)が出来たがいごうねか」
という声がしたと。ほうしると、
「今晩お客がとれたすけいがんね」
とお宮様がいいなさったと。
ほうして、それからまただいぶめてから
「いま来たどこだ」
という声がした。
「ほうして、どっげの子だい」
とお宮様が聞くと、
「男の子だ。いくついくつになると虻に命とられる」
と言うた。
こじきは、これは不思議なことを聞いたもんだというて、そこの村へ行ってみたら、ほんに男の子が生まれていたと。
その子が、でっかなって、倉たてるとって高いどこへ登っていたら、虻がとまった。それを叩こうと思ったら下に落ちて死んでしもうたと。
神様は人に運をちゃんと決めるがっだと。
いちがぽーんとさけた。
太郎丸 長谷川モト
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