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富川蝶子さんの昔話CDの内容はこちら
昔旦那の家に仕える若者がいた。ある日、馬の草刈りに行くと権助狐と三郎狐が儲け話をしていた。三助狐を馬に化けさせ馬市で金をせしめる段取りだったが、それを聞いた若者は、権助狐を装って馬に化けた三郎狐を馬市へ連れて行った…。
昔、見附の長坂に古狐が人を化かしていた。ある日藤三郎という若者がこの古狐を退治しようと、婆さに化けさせた狐を背中に縛りつけて家へ連れて帰り火炙りにして、古狐はこのために死んでしまったが、狐の恨みで藤三郎の家は…。
昔、子の無い爺さと婆さが願懸けたら、瓜から女の子が産まれ、うり姫と名付けた。ある日、うり姫は隣村の旦那様の息子の嫁になることになり、爺さは、天邪鬼が来てもけっして戸を開けるなと言って着物を買いに出かけたが…。
昔、小さな寺に和尚さんと小僧が住んでいた。ある日ぼた餅を三つ貰い、二つは二人で食べ、一つは本尊様に上げておいたのだが、美味しさのあまり小僧がそれを食ってしまった。小僧は金仏様の口のまわりに餡子を付けて小細工をしたのだが…。
昔、貧乏な母親と長男がいて、その長男が孫婆さの家で初めて餡団子を食べたが、あんまり旨いので母親に作ってもらおうと、ダンゴという名前を忘れないよう歩きながら繰り返していたが、水たまりを飛び越えた時に、ドッコイショに代わってしまって…。
昔、三人の男の子を持った母親が死んで、後妻が来た。ある日、末っ子を家に残して二人で木登りして遊んでいたが、だいぶ遊んだので家に帰ってみると、後家が部屋の奥で末っ子をガリガリボリボリ食っていた。二人はびっくりして外へ逃げ出したが…。
昔、貧乏な母娘がいて、娘は親孝行で母親の代りに働きに出ていた。ある日、毎日通る峠の上の柳の下で雨宿りをしていると、柳の木の精が「俺はじきに切られて舟になる。お前が音頭を取ると動くから、殿様から褒美をもらえ」と言われたが…。
昔、頭の弱い男が上方詣りする時、いい言葉があったら忘れないよう、帳面に書いておけと母親に言われ、鉛筆持って出かけて行った。歩いているといろいろな人から様々ないい言葉を教わり、帳面に書き留めていたが…。
昔、じゃまな大きな杉の木があって切り倒そうと木挽きに頼んだが、切った木屑が翌日になると元通りになっていた。不思議に思っていると、他の木から邪見にされているずくなしの木が、その日の内に木屑を燃やせばいいと教える…。
昔、ある村の鎮守様へ旅の大工が宿借りして泊っていたら、今日女の子が産まれたが、鎮守様に宿借りしてる男の嫁になる運命だと神様が鎮守様に話していた。男は年の離れた嫁はいやだとその子を殺そうとノミでひたいを切りつけたが…。
昔、山方に頭の弱い男がいて、嫁が決って挨拶に行くことになったが、何と挨拶していいか分からない。仲人が紐を引っぱった時に「さようでございます。」と言えばいいと教わるが、その男は紐をチンポコの先に縛り付けた…。
昔、小さな村に一人暮らしの産婆がいた。もう寝ようとすると、見知らぬ男が嬶が産気づいたので来てもらいたいという。産婆は急いで支度をして男について行くが、入口の狭い小さな家で、産まれた子もモヤモヤした毛に覆われていて…。